「しっかり」の語源、やはり中国語だった

以前に書いた「ちゃんと」と「きちんと」は中国語由来だったの記事を読んでくださる方が多いので、もう一つ関連記事を書いておきます。

「しっかり」の語源

タイトルの通り、sikkari(しっかり)も中国語由来です。sikkari(しっかり)ほどよく使われませんが、sika(しか)という語があり、こっちが先に存在していたと考えられます。「しかと受け止める、しかと受け取る」のように使われます。

sika(しか)を漢字で書くことはほとんどありませんが、漢字で書けば「確」です。「確」という漢字に、語源を考えるためのヒントが隠されています。これは「石」の話なのです。私たちが石に抱く素朴なイメージとは、どのようなものでしょうか。「かたい」と「重い」ではないでしょうか。

古代中国語にdzyek(石)ヂエクという語がありました。この語は、ある時代にzyakuとsekiという音読みで日本語に取り入れられました。しかし、実はそれだけではありません。

前に、古代中国語で敷物を意味したziek(席)ズィエクという語を取り上げたことがありました。ziek(席)は、zyakuとsekiという音読みで日本語に取り入れられましたが、それだけでなく、siku(敷く)という語にもなっていました。同じように、dzyek(石)は、zyakuとsekiという音読みで日本語に取り入れられましたが、それだけでなく、sika(しか)という語にもなっていたのです。

日本語にはisi(石)という語があるので、古代中国語のdzyek(石)はなにか石に関係のあることを意味しようとします。その結果、(石のような)かたい感じ、揺らがない感じ、安定した感じを表すようになったのです。こうしてsika(しか)、さらにはsikkari(しっかり)という語ができました。かたさを意味するという点で、筋肉や皮下組織の一部が凝り固まる時のsikoru(しこる)/sikori(しこり)や歯ごたえがある時のsikosiko(しこしこ)も無関係でないかもしれません。

「確か」の語源

sikkari(しっかり)の語源は「石」でしたが、tasika(確か)の語源も「石」のようです。テュルク系言語から日本語に語彙が入っていることはすでにお話ししていますが、テュルク系言語では石のことをトルコ語taş(石)タシュ、カザフ語tas(石)、ウズベク語tosh(石)トシュ、ヤクート語taas(石)のように言います。

日本語にはisi(石)という語があるので、テュルク系言語の「石」もなにか石に関係のあることを意味しようとします。そうしてできたのが、揺るぎない感じを表すtasika(確か)や、重量感を表すdosiʔ(どしっ)、dossiri(どっしり)、dosin(どしん)、dosun(どすん)、dosaʔ(どさっ)などであったと思われます。dosiʔ(どしっ)、dossiri(どっしり)、dosin(どしん)が若干変化したのがzusiʔ(ずしっ)、zussiri(ずっしり)、zusin(ずしん)です。

sikkari(しっかり)は古代中国語のdzyek(石)から来た、tasika(確か)はテュルク系言語のトルコ語taş(石)の類から来た、では肝心のisi(石)はどこから来たのかということになります。isi(石)の語源は難解で、sikkari(しっかり)とtasika(確か)のように短く説明できないので、記事を改めます。